カルロ・ジェズアルドとはどんな人物?
カルロ・ジェズアルド(Carlo Gesualdo, 1566–1613)は、イタリア・ルネサンス末期からバロック初期にかけて活躍した作曲家であり、ヴェノーザ公という貴族でもありました。妻とその愛人を殺害したという衝撃的な事件でも知られていますが、音楽史においては極端な半音階技法と大胆な不協和音の使用で、時代を数百年先取りしたかのような作風が高く評価されています。今回は、そんなジェズアルドの主要な作品と楽器編成について簡単に調べた結果をまとめてみました。
主要作品のジャンル
マドリガーレ(世俗声楽曲)
ジェズアルドの代名詞ともいえるのが、全6巻にわたるマドリガーレ集です。第1巻(1594年)から第6巻(1611年)まで出版されており、特に第5巻と第6巻は音楽史上でも屈指の前衛的作品として知られています。「Moro, lasso, al mio duolo(私は苦しみに死ぬ)」や「Beltà, poi che t’assenti(美よ、おまえが去ってから)」などが有名です。編成は基本的に5声の無伴奏声楽(ア・カペラ)で、ソプラノ・アルト・テノール・バスなどの声部が複雑に絡み合います。
宗教声楽曲(レスポンソリウムとモテット)
ジェズアルドは晩年に宗教音楽にも力を注ぎました。代表作は「聖週間のためのレスポンソリウム集(Responsoria et alia ad Officium Hebdomadae Sanctae spectantia)」(1611年)です。聖木曜日・聖金曜日・聖土曜日のための全27曲で構成されており、こちらも6声の無伴奏声楽を基本とした編成です。暗く沈痛な響きの中に激しい半音階進行が織り込まれ、キリストの受難を描き出しています。
その他の作品
上記のほかに、少数ながら器楽作品も残されています。「カンツォーナ・フランチェーゼ」などの鍵盤楽曲がいくつか伝わっていますが、数は多くありません。ジェズアルドの創作の中心はあくまでも声楽作品であったといえます。
楽器編成の特徴
調べてみて改めて感じたのは、ジェズアルドの作品の大半が無伴奏の声楽アンサンブルであるという点です。5声ないし6声のア・カペラ編成が中心であり、独立した器楽パートを伴う作品はほとんど見当たりません。これはルネサンス期のマドリガーレや宗教音楽の伝統に沿ったものですが、ジェズアルドの場合、楽器に頼らず人間の声だけで極限的な不協和音や半音階を表現している点が驚異的です。声のみで生まれる生々しい緊張感こそが、ジェズアルド作品の最大の魅力といえるでしょう。
まとめ
ジェズアルドの主要作品は、マドリガーレ全6巻と聖週間のレスポンソリウム集に集約されます。いずれも無伴奏声楽のための作品で、5〜6声のア・カペラ編成です。器楽作品は少数の鍵盤曲が残る程度でした。シンプルな編成の中にこれほどの表現力を詰め込んだジェズアルドの音楽は、400年以上経った今もなお聴く者を圧倒します。興味を持たれた方は、ぜひ一度その響きに耳を傾けてみてください。
